独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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診療科のご紹介

小児代謝内科

■診療紹介
小児代謝内科では,小児期の主な代謝疾患である先天代謝異常症をはじめとする代謝異常症の診断と治療を行っています。先天代謝異常症では,一つ一つの病気の患者さんの数は非常に少ないのですが,病気の種類が多いため,先天代謝異常症全体としては, 4,000〜8,000人に一人といわれています。
先天代謝異常症の診断は,一般の臨床検査では行われていない特殊な検査が必要なため全国の大学や研究機関と連携して行っています。
また,治療においてはまだ治療法が確立されていない病気も多いのですが,近年の医学の進歩により治療可能な疾患が増えてきています。先天代謝異常症の治療は,食餌療法と薬物療法に大別されます。ある栄養素を制限した食餌療法が主体となる病気では栄養管理室と連携して栄養指導を行っています。
上の写真はアミノ酸のフェニルアラニンを制限した食事で,見た目は普通の食事とかわりはありません。ただ,特殊な食材を使用するため,少し割高になります。 また,薬物療法では特殊な薬剤を使用しなければならない場合もあります。
■主要な疾患について
先天代謝異常症
…先天代謝異常症とは,生まれつき何らかの異常があって,体内での代謝が障害されて症状をきたす病気です。先天代謝異常症では,早期に発見して早期に治療を開始することにより症状の改善や発現を予防することができる疾患があります。このために現在,公費負担で生後5日目に新生児マス・スクリーニングが行われていますが,これまではフェニルケトン尿症,ホモシスチン尿症,メープルシロップ尿症,ガラクトース血症が対象でしたが,2013年から新たに有機酸代謝異常症や脂肪酸代謝異常症などが加わって20以上の病気が対象となっています。これらの疾患は,早期に診断して治療を開始することで症状の発現を予防して,他の子どもたちと同じように成長・発達して行くことができます。
新生児マス・スクリーニングで精密検査となった子どもたちが,全員これらの先天代謝異常症の患児というわけではありません。精密検査となった子どもたちの検査を行ってその病気かあるいは病気ではないかの鑑別をおこないます。もし,その疾患であると診断された場合には,できるだけ早急に治療を開始して症状の発現を予防しています。  新生児マス・スクリーニングの対象となっていない病気については,症状が発現してからの診断となりますが,診断のためは,酵素活性の測定や遺伝子診断等の特殊な検査が必要となります。当院で出来ない検査に関しては他の医療機関や研究機関と連携して診断を行っています。
当院では以下の先天代謝異常症の遺伝子診断を行っています。
・フェニルアラニン水酸化酵素の異常による高フェニルアラニン血症
・6-ピルボイルテトラヒドロビオプテリン合成酵素欠損症
・チロシン血症I型
・カルバミルリン酸合成酵素欠損症
・N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症
・ウイルソン病
・ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症(E1α,E1β)
高脂血症・高コレステロール血症・高尿酸血症・肥満症
…検診などで高脂血症,高コレステロール血症,高尿酸血症や肥満症が発見された子どもたちの治療を行っています。これらの病気の治療は,食餌療法が主体となるので栄養管理室と連携した栄養指導を行い,さらに運動療法を主体とした生活習慣の改善を指導しています。また,必要な場合には薬物療法も行っています。
■スタッフ紹介
伊藤道徳 いとう みちのり
小児内分泌・代謝内科医師(非常勤)
● 小児科、先天代謝異常、臨床遺伝
小児科学会専門医