独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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おひさまつうしん

コラム 臨床研修医が行く!

vol.11 偶然の出会い

 香川に来て早一年が経とうとしています。善通寺駅に降り立ち、「まずはうどんだ!」と駅前のこがね製麺所に入りました。しかし、セルフのうどん屋さんのシステムが分からず、お店の人に教えてもらって食べたことが懐かしいです。今となっては、ぶっかけうどんとゲソ天は僕にとってはなくてはならないものとなり、香川の生活にどっぷりと浸っています。

 僕は、福岡県北九州市の近郊で生まれ育ち、大学は大分、そして初期研修は北九州と北部九州のみをウロウロしてきました。医療も文化も北部九州しか知らないのはまずいと思い、初期研修後は、どこか九州以外の地域でと考えていました。そこで、就職説明会のようなイベントに参加したのですが、当初は、香川に小児病院があることは全く知りませんでした。

 漫画の舞台になったようなこども病院や都会の病院のブースを一通り回り説明を聞き、その資料を片手に会場を歩いていたときでした。「小児科の資料持ってるね。暇そうだから、うちの病院の話も聞いていきなよ。」と声をかけてくださったのが、伊藤副院長でした。その当時はまだ発売して間もないipadを用い、そのipadを自在に操り病院の理念、地域の特性、香川の新生児医療の歴史、小児科研修の取り組みなどを巧みに説明されました。香川にこども専門病院があり、しかもこんな先進的な病院なのかとの印象を受け、見学させてくださいとお願いし、香川の地へたどり着きました。実際見学にしてみるとそのときの印象とは若干異なり、ややクラシカルな印象の病院でしたが、働いている先生方、コメディカルの方々は活気に溢れ、この病院で働き成長したいと強い衝動に駆られたことを今でも覚えています。

 こんなちょっとした偶然の出会いから香川で、小児科医としてスタートを切ることになったのですが、現在の生活はとても充実しています。香川小児病院では、一次から三次までの医療を担っており、病気が治ればすぐに元気になる患者さんもいれば、基礎疾患があり長期に関わらせて頂く必要のある患者さんもおり、本当に様々な患者さんと接する機会が得られている。まだまだ足りないことばかりですが、多くのことが学べる環境にあり、少しでも早くより多くのことを患者さんに還元できるよう過ごしていきたいと思っています。

 実は香川に来た理由がもう一つあります。僕は趣味が魚釣りなのですが、物心ついた頃から魚釣りばかりしていました。大学時代は潮の満ち引きと共に生活し、夜な夜な釣りに出かけることも多かったです。僕が小学生のときにある漫画でアカメという魚を目にしました。アカメは、高知県と鹿児島県志布志湾の一部に生息し、体長が1mを超える肉食の大型魚で幻の魚と呼ばれています。その幻の魚をいつか釣り上げたいと子供の頃から思っていました。初期研修1年目の夏休みは鹿児島県の志布志湾に行ったのですが、志布志湾ではもうほとんどアカメは見られず、コンスタントに釣れるのは、高知だけだとのことでした。そして、翌年、高知県に釣りに来たのですが、九州からはあまりに遠過ぎ、四国に住みたいと考えたのも極々わずかですが四国に来た理由のひとつです。夏季休暇以外はまだ釣行できていませんが、四国に住んだからには何とかアカメを一匹。

<2012.01>

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