独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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おひさまつうしん

特集 こどもの病気の基礎知識

vol.04 頭部を打撲したら

目の前で頭を打ったとき

 まず確認してほしいのは意識状態です。受け答えができ、内容もはっきりしていれば特に問題ありません。しかし、もし、ぼんやりしていたり目がうつろで受け答えができないとき、目を閉じてしまってまったく反応せず意識がないとき、けいれん発作が現れたときには、できるだけ早く病院に連れて行く必要があります。手の動きが悪かったりうまく歩けないなど手足の動きに不自然さが感じられたり、言葉が出ない、ろれつが回らずしっかりとしゃべれないときも要注意です。

 忘れてはいけないのは、頭を打ったあとしばらくは異常がなくても、数時間後、あるいは時間がたつにつれて意識障害が出てきたり、不自然な手足の動きが顕著になってくる場合があるということです。この場合、頭蓋骨の骨折部分からの出血がゆっくりと継続していて血腫を作り、その血腫の上が次第に多くなっている可能性があります。緊急で手術を必要としますから特に注意が必要です。

その場にいなければ

 その場にいなかったときや、あとで知ったときには、まず子どもの機嫌がよいか悪いかに注目しましょう。食欲がなくて機嫌も悪いうえに、頭痛を訴えて嘔吐が始まったとき、手足の麻痺が出現したとき、けいれん発作が出現したとき、うとうとと眠りこけて起こしても目が覚めなくなったときなどは直ちに受診が必要です。

 また、「コブができれば大丈夫」ということを聞いたことがあるかもしれませんが、これは信用できません。骨折による出血からできたコブの場合には、頭蓋内にも出血をしている可能性があり、コブは判断基準にはなりません。

受診の際は

前述のような症状が見られたときは、できれば脳神経外科医のいる病院で診察を受けられるといいですね。脳神経外科医がいなくてもCT検査が行える設備のある病院なら、ある程度の診断は可能です。ただし、嘔吐が見られていても、下痢や38度以上の発熱を伴うときには、嘔吐下痢症や腸炎など、小児に多い疾患の場合がほとんどなので、先に一度小児科医に相談した方がいいでしょう。

事故防止のために

 3〜4歳 ごろに脳神経外科を受診する最も多い原因は転倒、転落です。このころは運動能力が発達してきて走ったり、高い所へ上ったりすることも比較的自由にできるようになりますが、注意力や判断力はまだ十分ではありません。一方、行動範囲が広がり両親や保護者の目が十分に行き届かないといった状況が生まれがちです。そのため転倒したり、階段やジャングルジム等からの転落による頭部外傷が多く発生してしまうのです。

 頭を打つという事故を防止するためには、まず子どもが安全な場所で活発に遊べる環境をつくることや、公園、遊園地などで、まず親子で一緒に遊ぶこと。単に目が行き届き、すぐに助けの手が出せるというだけでなく、それによって正しい器具の使い方、遊び方などを覚えることもできます。また道路への飛び出しによる交通事故も少なくないことを考えると、基本的なことですが、道路上では必ず手をつなぐことも大切です。

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