独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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おひさまつうしん

特集 こどもの病気の基礎知識

vol.05 ノロウイルスについて

1.ノロウイルスとは

ノロウイルスは以前、小型球形ウイルスあるいはノーウォーク様ウイルスと呼ばれていたRNAウイルスでエンベロップはもたない。食中毒や感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)の原因ウイルスとして重要です。

2.疫学

食中毒では発生件数ではサルモネラ、キャンピロバクターについで第3位、患者数では第1位です。ウイルス検出数からみると12月から3月にかけてピークをみています。

3.感染様式

このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。

  1. 汚染されていた食品(貝類等)を、生あるいは十分に加熱しないで食べた場合
  2. 食品取扱者が感染しており、そのものを介して汚染された食品を食べた場合
  3. 患者の糞便や吐物から二次感染した場合(糞口感染)

    ※オムツ交換や吐物の処理の時感染することが多いが、嘔吐の時飛び散ったものが直接あるいは間接的に口に入ったり、糞便や吐物が乾燥し、空気中に浮遊したものが口に入り感染することも考えられます。

  4. ヒトからヒトへの直接感染

4.臨床症状

潜伏期は1〜2日 であると考えられています。乳児から成人まで幅広く感染しますが、一般には症状は軽症であり、治療を必要とせず軽快します。まれに重症化する例もあり、老 人や免疫力の低下した乳児例では死亡例も報告されています。嘔気、嘔吐、下痢が主症状ですが、腹痛、頭痛、悪寒、筋肉痛、咽頭痛を伴うこともあります。ウ イルスは、症状が消失した後も3?7日ほど患者の便中に排出されているため、二次感染に注意が必要です。

5.診断

ヒト以外での培養が困難で、遺伝子検査による診断が行われています。迅速診断キットも発売されていますが、全ての遺伝子型に対応していないため実用的ではありません。

6.治療

ノロウイルスに対する特異的な抗ウイルス薬はなく、輸液等の対症療法を行います。

7.予防・対策

  1. 手洗い

    :汚染が予想されるときは石鹸と流水で十分手洗いを行います(アルコールには抵抗性)。

  2. 手袋の使用

    :糞便、吐物の処理は手袋、サージカルマスクを使用し、速やかに行います。他を汚染しないように速やかに捨てる。手袋を外すときは手が汚染しないように注意しましょう。

  3. オムツ交換

    :一般病棟でお母さんが行う場合は、交換後、石鹸と流水で十分手洗いをしましょう。

  4. 次亜塩素酸ナトリウム処理

    :汚染された器具、環境は次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう。(ハイターを水道水で10倍に希釈して用いる。例えばハイター100ml+水道水900ml)。

  5. 熱処理

    :60℃には抵抗性であるので、85℃以上、1分以上の熱処理を行いましょう。

  6. 果物、生野菜は流水で十分に洗いましょう。

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