独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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おひさまつうしん

特集 こどもの病気の基礎知識

vol.19 こどもの外科的救急疾患 こんなとき、どうすればいいの?

口の中を切った

 こどもは大人と違って、走っていて頭あるいは顔から勢いよく転ぶことが多く、口の中を切ることもしばしばあります。切れやすい部位としては、口唇、頬の粘膜、舌、上唇小帯(上口唇の内側から前歯の中央へ向かって張っている、膜のようなもの)などがあります。出血に対しては、慌てずにまずガーゼやハンカチなどで出血している「辺り」を押さえて止血(圧迫止血)します。たいていの出血は、この圧迫によって止まります。出血が止まってから、改めて傷の部位・長さ・深さを観察します。圧迫を止めると出血が続く場合や傷が深くて大きく開いている場合は病院で縫合が必要ですが、実際には口の中の傷はほとんど縫合する必要はありません。

切り傷、擦り傷

 口の中の傷と同様に、出血が多い場合はまず止血をします。圧迫止血をしますが、口の中に比べると出血部位が見えやすいと思いますので、出血点を見つけてできるだけピンポイントで圧迫する方が有効です。ある程度止血できたら、傷をよく洗浄します。洗浄には消毒薬を使う必要はなく、水道水(流水)で十分です。傷に砂粒や異物が入っている時はしっかり洗い流してください。洗浄中にまた出血が始まったら、もう一度圧迫をして止血します。病院を受診した方がよい場合とは、①出血が多くて止まりにくい、②傷が深い・長い、③異物が多量に入っていて取りきれない、④目立つ部位(顔など)の傷、などです。

熱湯を浴びた(熱傷)

 熱傷で最も重要なことは「できるだけ速やかに患部を冷やす」ことです。熱傷の重症度は軽いものから順に、Ⅰ度(表皮のみ)、Ⅱ度(真皮まで)、Ⅲ度(皮下組織まで及ぶ)と分類されます。熱のエネルギーは、受傷(熱湯を浴びた瞬間)後もより深い層へと伝播していくので、この熱の伝播を防いで少しでも浅い層までの熱傷にとどめることが重要です。そのために、病院へ早く連れて行くことよりも、まずその場で(受傷直後から)患部を十分に冷やすことが大切です。10~20℃ぐらいの水道水で10~20分以上冷やします。その後、病院に向かう間は氷枕(アイスノンなど)にタオルを巻いて患部に当てることで、冷却と痛みの軽減に役立ちます。ただし、小さいお子さん(乳児など)では体幹全体など広い範囲を冷却すると低体温になることがありますので、注意が必要です。

(男の子で)オシッコが出にくい・痛がる

このような症状がある場合は「包茎」のことが多いので、チンチンの皮(包皮)が楽にむけるかどうか確かめてください。包茎は小さいお子さんには多くみられ、包皮と亀頭の隙間に細菌が繁殖して炎症を起こす「亀頭包皮炎」になると、亀頭から陰茎にかけて赤くなり腫れて痛がります。このような場合には、抗炎症剤を局所に塗って炎症がおさまるのを待ちます。包茎は年齢が上がるにつれて自然に治ることが多く、3歳のこどもでは10%に見られるのに対して、14歳では1%に減るというデータもあります。

異物を飲んだ(かもしれない?)

異物を誤って飲み込んだ場合、消化管(食道~胃~腸)に入った場合を「誤飲」、気道(気管~気管支~肺)に入った場合を「誤嚥」といいます。日本は、「部屋の中では靴を脱ぎ畳や床の上で生活する」という生活様式から、こどもが床に落ちている異物を口にすることが多く、乳児の誤飲の発生頻度は世界的にみても異常に高いといわれています。「誤飲」の原因としては、乳児ではタバコが最も多く、1歳以上では様々なものが原因となります。「誤嚥」のもっとも多い原因は、ピーナッツなどの豆類です。小さいこどもの手の届くところには、このような「誤飲」や「誤嚥」の原因となるようなものを置かないのが大原則です。病院を受診する時には、飲み込んだ(かもしれない?)ものと同じものがあれば、それが診断・治療の役に立つことがありますので、必ず持参してください。

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