独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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おひさまつうしん

特集 こどもの病気の基礎知識

vol.20 こどもの肥満・メタボリックシンドロームについて

ここ30年の間、食生活の欧米化にともない、日本人の肥満や生活習慣病が増加に伴い、肥満傾向のこどもが増加しているのはご存知と思いますが、また、利便性や効率性が高い現代生活では、居住空間、遊び、学校等の生活環境も親の世代と比べ大幅に変化し、運動不足や体力低下のこどもが増えていることも、肥満傾向のこどもが増加している要因ではないでしょうか。

こどもたちの生活リズムも、大人の生活リズムに同調することで「夜型」傾向に大きく変化し、「夕食時間が遅い」「就寝時間が遅い」「朝食は食べない」といった習慣のこどもたちが増加しております。このような食・生活習慣の乱れも、肥満のリスクが高いとされております。生活習慣が確立するのは小児期からなので、家庭や学校を中心とした取組みが必要となってきます。

最近は、大人同様に肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になりやすくなっているこどもも珍しくありません。ここで、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の病態、小児期の診断基準、食生活の改善について簡単にお話しします。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは?

内臓脂肪型の肥満に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上合併したもので、動脈硬化などの心血管障害の発症のリスクを増大させる病気のことを言います。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)診断基準(小児期)は?

腹囲の基準(1)を満たした上で、(2)~(4)のうち2項目以上を有する場合に、小児メタボリックシンドロームと診断する。

(厚生労働省研究班2010.3)

  1. 腹囲の増加(中学生80cm以上、小学生75cm以上ないし腹囲÷身長が0.5以上)
  2. 中性脂肪が120ml/dL以上ないしHDLコレステロール40mg/dL未満

    *採血が食後2時間以降の場合中性脂肪160ml/dL以上

  3. 収縮時血圧125mmHg以上ないし拡張期血圧70mmHg以上
  4. 空腹時血糖100ml/dL以上

    *採血が食後2時間以降の場合血糖110ml/dL以上

食生活の改善についてのポイント

  1. 太る原因となる過食や偏食、高脂肪の間食を減らすこと
  2. 1日3食を規則正しくバランスの取れた食事(主食・主菜・副菜)

簡単に挙げましたが、例えば、親御さんの食生活が朝が弱く朝食を作らない(朝食欠食一日二食)、野菜が嫌いで食べない(食べず嫌い)、揚げ物や脂っこい物を好む、好きな物を好きなだけ食べる(大皿盛り)、外食が多い、甘いお菓子ばかりを好んで食べる、味付けが濃い(スーパー・コンビニ等で買ったものばかり)等では、お子さんの食生活の改善にはつながりません。

こどもは親から用意された食事を、家庭の応じたルールで食べるしかありません。まずは、家族(家庭)の食生活・食卓・生活習慣の状況、問題点、改善点を把握する必要があります。共働きの家庭等、環境の違いや事情は様々ですが、その問題点、改善点をお子さんだけに取り組ませるのではなく、家族の健康対策として考え、習慣的に取り組んでいくことが重要です。

また、学校生活の一部の「給食」は、こどもの成長・発育に考慮し、「バランスの取れた食事」が提供されますが、お子さんの極度の‘おかわり’や‘偏食’が日常化していると、「バランスの取れた食事」ではなくなってしまいますので、学校の理解と協力も必要不可欠です。

忙しい現代生活のなかで、健康に配慮した食生活を維持していくには、大変で、努力が必要だと思いますが、食に対して意識的に選ぶ目を持っていただき、出来ることからはじめてみましょう。

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