独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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おひさまつうしん

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四国こどもとおとなの医療センターのアートプロジェクト

2015/02

 ホスピタルアートと言っても、まだまだ聞き慣れない言葉だと思います。言葉は知っていても「病院に絵を飾ったり壁画を描いたりすること」と、理解している方がほとんどかもしれません。(もちろん、そういうこともします)でも。

 当院のホスピタルアートはそれだけではありません。先日は事務局の若手職員さんたちと「患者さんがエレベーターを見つけやすい案内サインとは。」と、それぞれがアイデアを持ち寄って対話しました。自由な発想が飛び交って、現在まだ誰も見た事のないようなユニークなデザインが生まれつつあります。その他療育指導部の方々とボランティアさん(プログラマー)が協力して、体の不自由な患者さんたちに魔法を体験してもらうイベントを企画したりもします。

 つまり、ホスピタルアートとは、「もの」ではなく、「こと」です。誰でもが集えるアートという平たい野原を病院の中に持ち込んで、そこでどんな病院があったらいいか一緒に考えようとする取り組みのことです。

若手職員さんとの対話

 南側庭園にある石碑をご覧になった方はいるでしょうか。あの一番古い石碑は当院の前身である第11師団陸軍病院時代に設置されたものです。(初代の師団長は乃木希典です)そこには漢文でこんな事が書かれています。「‥有志相謀り善通寺予備病院別に一館を創建する。戦時を論ぜずともに常時傷病軍人の為に各種娯楽器を備え置く。もってその心神を慰まんと欲す‥」そこには日露戦争の戦果を讃えた内容ではなく、戦時中といえども、いや、戦時中だからこそ傷を癒すだけでなく心を癒す事が大切だ。そのために有志が協力して病院の隣に娯楽施設を建てた。というとても素朴で、大切な内容が刻まれています。その歴史を知ったとき、私はこの精神が時代と共に形を変えながら伝統として受け継がれ、現在のホスピタルアートという取り組みになったのだと感じました。

 苦しむ誰かの幸せを願う気持ちが結晶化したものが医療技術であり、病院という形です。これからも医療スタッフや患者さんやボランティアさんたちと対話を重ねながら、よりよい病院の形を模索してゆきたいと思っています。

ボランティアさんより患者さんへのギフト

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