独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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初期・後期臨床研修

 当院は責任基幹病院で研修医の先生には当院での専門医研修のプログラムに参加していただきます。関連研修施設には徳島大学病院、小倉記念病院、聖隷浜松病院があり、それぞれ1年間程度の研修を予定しています。専門医をとるための経験必要症例のうち、小児、帝王切開、心臓血管外科、脳外科は当院で十分経験できますが、胸部症例が少なく、関連研修施設でその症例を主に経験していただくつもりです。

 麻酔科は年間約2800症例の麻酔を担当しています。そのうちわけは全身麻酔が約2000件、区域麻酔が約800件です。新生児から超高齢者まで幅広い年齢層の患者に対し麻酔を行っています。麻酔科医は指導医1名、専門医2名、認定医4名、後期研修医1名の計8名です。全国各地の関連研修施設(徳島大学病院、香川大学病院、高知大学病院、小倉記念病院、聖隷浜松病院、飯田市立市民病院)より半年から1年程度の短期研修を希望する先生が時々来られており、その時にはその数だけ増員になります。

 麻酔は特に術後痛をできるだけ少なくすることに力をいれています。硬膜外鎮痛も自己調節性鎮痛を行い、硬膜外穿刺が出来ない人には持続投与を含めた末梢神経ブロックやIV-PCAを組み合わせ鎮痛しています。末梢神経ブロックはエコーガイド下に行っており、未熟な人でもすぐに安全に行えるよう指導しています。

 小児・成人ともに心臓血管外科手術の麻酔が経験できるのも当院の特徴です。心臓血管麻酔学会専門医が1名、JB-POT合格者が2名おり、きめ細かい指導を行っています。経食道心エコーは新生児用から成人の4Dのものまで計7本のプローブがあり、症例によって使い分けています。

 また当院は総合周産期母子センターの指定を受けており、母体・胎児に異常がある症例も数多くあります。帝王切開は年間約250例あり、その中には超緊急で行うものもあります。また、胎児手術も行っており、その麻酔も経験することができます。

 当院は合併開院して間もないきれいな病院で、症例数もそれほど多くないので、余裕を持って気持ちよく麻酔管理が行えます。それに加え症例の種類が多いので研修をするにはすごく適した病院です。気軽に見学に来ていただき、気に入ってもらい、一緒に仕事できるようになればうれしいと思います。

年度別麻酔管理症例数
2013年 2014年 2015年 2016年
全身麻酔(吸入) 1037 1259 1279 1044
全身麻酔(TIVA) 73 37 32 46
全身麻酔(吸入)+硬・脊・伝 681 765 802 757
全身麻酔(TIVA)+硬・脊・伝 26 9 4 5
脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔 184 221 219 258
硬膜外麻酔 13 2 1 1
脊髄くも膜下麻酔 367 460 468 474
伝達麻酔 1 3 3 2
その他 111 136 156 196
2493 2892 2964 2783

年齢別麻酔管理症例数
2013年 2014年 2015年 2016年
~1ヶ月未満 60 45 33 55
1ヶ月~11ヶ月 223 256 201 158
1歳~6歳 490 517 565 538
7歳~15歳 274 297 300 294
16歳~60歳 597 720 758 708
61歳~80歳 560 712 760 704
81歳~ 289 345 347 326
2493 2892 2964 2783


[ 中央診療部長、麻酔科医長 多田文彦 ]

■コースの概要

 四国こどもとおとなの医療センターは香川小児病院と善通寺病院が合併統合した病院で、小児専門施設としての小児(小児心臓血管外科、小児脳神経外科、小児胸部外科手術、新生児や未熟児に対する手術なども研修可能)・産科症例(母体重症症例、重症胎児症例、胎児手術、無痛分娩なども研修可能)と成人症例と幅広い症例が経験できる特徴を持つ病院である。

 本専門研修プログラムは、専攻医が整備指針に定められた麻酔科研修の到達目標を達成できる専攻医教育を提供し、地域の麻酔診療を維持すべく十分な知識・技術・態度を備えた麻酔科専門医を育成する。麻酔科専門研修プログラム全般に共通する研修内容の特徴などは別途資料 麻酔科専攻医研修マニュアル に記されている。

本研修プログラムでは、バラエティに富む症例を経験できる連携施設での研修を特徴とし、研修終了後は,香川県の地域医療の担い手として県内の希望する施設で就業が可能となる。

■目標

 基幹施設の四国こどもとおとなの医療センターで一般的な知識・技術を習得し、小児・産科・心臓血管麻酔に関しては専門的な知識・技術を身に着ける。関連研修施設の徳島大学病院ではリサーチマインドを育む研修を、小倉記念病院では心臓血管外科麻酔、聖隷浜松病院では産科麻酔を中心とした専門的な研修を行う。

① 専門研修で得られる成果(アウトカム)

4年間の専門研修を修了することで、安全で質の高い周術期医療およびその関連分野の診療を実践し、国民の健康と福祉の増進に寄与することができるようになる。具体的には、専攻医は専門研修を通じて下記の4つの資質を修得した医師となる。

  1. 十分な麻酔科領域,および麻酔科関連領域の専門知識と技能
  2. 刻々と変わる臨床現場における,適切な臨床的判断能力,問題解決能力
  3. 医の倫理に配慮し,診療を行う上での適切な態度,習慣
  4. 常に進歩する医療・医学に則して,生涯を通じて研鑽を継続する向上心

② 麻酔科専門研修の到達目標

国民に安全な周術期医療を提供できる能力を十分に備えるために、研修期間中に別途資料「麻酔科専攻医研修マニュアル」に定められた専門知識専門技能学問的姿勢医師としての倫理性と社会性に関する到達目標を達成する。

③ 麻酔科専門研修の経験目標

研修期間中に専門医としての十分な知識、技能、態度を備えるために、別途資料「麻酔科専攻医研修マニュアル」に定められた経験すべき疾患・病態経験すべき診療・検査経験すべき麻酔症例学術活動の経験目標を達成する。

■取得資格

  • 麻酔科専門医

■先輩から一言

舟橋秀利

当院では、こどもの麻酔をたくさん経験できます。大人の麻酔もいろいろ経験できます。

こどもの麻酔経験を積みたくて、四国に初めて来ましたが、いろいろなところにも行けました。「坂の上の雲」の松山城と道後温泉、足摺岬と土佐清水のサバ漬け丼。高知ひろめ市場のカツオのたたきとサバの姿寿司。日曜市場の文旦。「龍馬がゆく」の高知城。渦潮、わかめと鯛丼の鳴門海峡。徳島ラーメン。そうめんと丸金醤油の小豆島。四国のいろいろな場所を経験できてよかったです。もちろん、善通寺と金比羅さんもすぐ近くです。病棟からは遠く海をのぞむことができるという生活です。

こんな生活を送りたければ是非当院へ。

湊 文昭

後期研修3年目になりました。

もともとは小児病院での研修でしたので、大半が小児の麻酔を担当していました。しかし、新病院が開院されてからは成人の麻酔症例も増え、非常にバランスのとれた割合となりました。成人では全身麻酔の他に脊椎麻酔や硬膜外麻酔、麻酔に関連した各種神経ブロックと幅広い技術が身につけられます。また、産科麻酔(特に帝王切開)の症例が非常に多いことがこの病院の特色とも言えます。

小児では小児外科手術を始めとし、生後間もない新生児の心臓手術から形成外科や眼科などのいわゆるマイナー科の手術症例も豊富です。またCTやMRI検査、心臓カテーテル検査でも麻酔科医による鎮静・全身麻酔が必要であることも小児ならではです。このような仕事は他の病院ではなかなか経験できるものではないと自信を持って言えます。

外科系の先生たちは、フレンドリーで手術中も良好なコミュニケーションをとりながら、楽しく麻酔管理が行えます。

看護師さんや技師さんが作り出すアットホームな雰囲気の手術室もとても居心地がよく、また麻酔科の先生方の丁寧でわかりやすいご指導もあり、ゆっくりですが日々成長できている実感があります。

いつかみなさんとこの病院で仕事ができることを心待ちにしております。

山田暁大

私は、卒後初期研修を当院(旧香川小児病院→現四国こどもとおとなの医療センター)でおこない、そのまま当院麻酔科で後期研修を始めました。

その後5年目に国立高知病院で成人の麻酔を、8年目に北九州の小倉記念病院で成人の心臓麻酔を学び、今にいたります。

当科の特徴として、成人と比べ小児の症例数が非常に多いこと、経食道心エコーや神経ブロックなど周術期の安全や質を向上させる新しい方法を積極的に取り入れていること、また、病院として職員を外に出して育てていこうという姿勢があると感じています。私の場合、2年間外の病院で研修をしましたが、普段とは全く違う環境で仕事をするということで、非常によい経験ができました。この間、私の給与は全て当院から支払われており、そのため研修先の病院に経済的負担がなく、研修を受け入れてもらいやすいこと、柔軟な研修が可能(北九州の小倉記念病院に行っている間、週に1日、福岡こども病院に研修にいくことができました)であり、たいへん感謝しています。

2013年5月の合併統合以降、成人各科(心臓血管外科、脳外科を含む)の麻酔も担当し、まさに体重500gの未熟児から100kgを超える妊婦の帝王切開、また出生直後の先天性心疾患から100歳を超える高齢者の腹部大動脈瘤破裂まで幅広い麻酔の研修ができるようになりました。

今までも、全国各地の病院から研修に来られた先生方と一緒に働くことで、私たちにとっても、他の病院のやり方を学ぶことができ、非常に勉強になっています。

皆さんと、ともに働ける日を楽しみにしています。

■ある専修医の1週間

日曜日 今日は当直です。
ICU・PICU当直が月に2~3回あたります。
生後2ヶ月のRSウイルス感染による呼吸不全の患児が入室し、気管挿管、人工呼吸管理を始めました。
夕方になって、95歳の交通外傷の緊急手術が入りました。
月曜日 8時 カンファレンス
当日と前日の症例を検討しています。その後、麻酔科専門医試験の問題を少しずつ解いています。
今日の症例は、65歳の肩腱板縫合です。全身麻酔+腕神経叢ブロックでおこないました。前の病院ではone shotのブロックしかしていなかったので、持続カテーテルの挿入はこの病院に来て初めてです。
毎週月曜18時からは、院外から招いた外国人講師による英会話教室があります。
火曜日 8時 カンファレンス
今日の症例は、生後20日の両大血管右室起始+大血管転位+肺動脈狭窄の患児に心臓カテーテル検査後、BAS(バルーン心房中隔裂開術)、BTシャントを作成します。先天性心疾患はこの病院に来て初めてなので、指導医の先生と一緒に担当します。
水曜日 8時 カンファレンス
今日は、85歳のOPCABを担当します。成人の心臓麻酔は前の病院でもしていたので、今日は導入を手伝ってもらって、後はほぼ1人でできました。
木曜日 この日は、麻酔科の待機だったので、明け方に32歳の交通外傷に対して、肝損傷のIVR、下腿骨折の創外固定の緊急手術に呼ばれました。
緊急手術の後、予定の帝王切開が2件ありました。2椎間法のCSEAでおこなっています。
金曜日 8時 カンファレンス
今日は、午前が小児形成外科で1歳の唇顎口蓋裂形成術、2歳の耳前瘻摘出術、午後が小児外科で1ヶ月の鼡径ヘルニアの腹腔鏡下手術、3歳の臍ヘルニア手術、2歳の停留精巣手術を担当しました。
前の病院では小児の症例がほとんどなかったのですが、半年でこどもにもだいぶ慣れてきました。
土曜日 今日は休みです。
だしが旨いと評判の讃岐うどん店、長田in香の香に行ってみようと思います。香川に来て、うどんの美味しさに感動し、最近の週末はうどん屋巡りを楽しんでいます。

■施設認定

日本麻酔科学会麻酔科認定施設

■処遇

 研修期間中に常勤として在籍する研修施設の就業規則に基づき就業することとなります。 専攻医の就業環境に関して、各研修施設は労働基準法や医療法を順守することを原則とします。プログラム統括責任者および各施設の研修責任者は専攻医の適切な労働環境(設備、労働時間、当直回数、勤務条件、給与なども含む)の整備に努めるとともに、心身の健康維持に配慮します。

 年次評価を行う際、専攻医および専門研修指導医は研修施設に対する評価(Evaluation)も行い、その内容を専門研修プログラム管理委員会に報告する。 就業環境に改善が必要であると判断した場合には、当該施設の施設長、研修責任者に文書で通達・指導します。

■施設外での研修

 原則として研修プログラム外の施設での経験症例は算定できないが、地域医療の維持など特別の目的がある場合に限り、研修プログラム管理委員会が認めた認定病院において卒後臨床研修期間に経験した症例のうち、専門研修指導医が指導した症例に限っては、専門研修の経験症例数として数えることができる。

□研修実施計画例

年間ローテーション表
1年目 2年目 3年目 4年目
A 四国こどもとおとなの医療センター 徳島大学病院 四国こどもとおとなの医療センター 小倉記念病院、
聖隷浜松病院
B 四国こどもとおとなの医療センター 四国こどもとおとなの医療センター 徳島大学病院 小倉記念病院、
聖隷浜松病院

□週間予定表

四国こどもとおとなの医療センターの例
8:00~8:30 午前 午後 当直
月曜日 術前・術後カンファレンス 手術室 手術室または
呼吸器ケアラウンド
火曜日 術前・術後カンファレンス 手術室 手術室 当直
水曜日 術前・術後カンファレンス
抄読会
手術室 手術室
木曜日 術前・術後カンファレンス 手術室 手術室または
緩和ケアラウンド
金曜日 術前・術後カンファレンス 手術室 手術室
土曜日 休み(術後回診) 休み
日曜日 休み 休み(術前回診)

□研修施設の指導体制と前年度麻酔科管理症例数

本研修プログラム全体における前年度合計麻酔科管理症例数:16,591症例

本研修プログラム全体における総指導医数:25人
合計症例数
小児(6歳未満)の麻酔 335症例
帝王切開術の麻酔 152症例
心臓血管手術の麻酔 (胸部大動脈手術を含む) 105症例
胸部外科手術の麻酔 81症例
脳神経外科手術の麻酔 92症例

① 専門研修基幹施設

四国こどもとおとなの医療センター
研修プログラム統括責任者:多田文彦
専門研修指導医:多田文彦(麻酔、集中治療、緩和ケア)、甲藤貴子(麻酔)、山田暁大(麻酔)
認定病院番号:1636
特徴:中讃地区で中心的な役割を果たす手術施設。 小児・産科・心臓血管手術が多い。

麻酔科管理症例数 2,572症例
本プログラム分
小児(6歳未満)の麻酔 335症例
帝王切開術の麻酔 152症例
心臓血管手術の麻酔 (胸部大動脈手術を含む) 80症例
胸部外科手術の麻酔 11症例
脳神経外科手術の麻酔 57症例

② 専門研修連携施設A

徳島大学病院
研修実施責任者:田中克哉
専門研修指導医:田中克哉(麻酔)、堤保夫(麻酔)、富山芳信(麻酔)、角田奈美(麻酔)、酒井陽子(麻酔)、曽我朋宏(麻酔)、櫻井静佳(麻酔)
認定病院番号:10
特徴:地域における中核施設。

麻酔科管理症例数 4,356症例
本プログラム分
小児(6歳未満)の麻酔 0症例
帝王切開術の麻酔 0症例
心臓血管手術の麻酔 (胸部大動脈手術を含む) 0症例
胸部外科手術の麻酔 50症例
脳神経外科手術の麻酔 15症例

聖隷浜松病院
研修プログラム統括責任者:鳥羽好恵
専門研修指導医:鳥羽好恵(麻酔)、小久保壮太郎(麻酔)、小倉冨美子(麻酔)、鈴木清由(麻酔)、奥井悠介(麻酔)、池上宏美(麻酔)、近藤聡子(麻酔)、大谷十茂太(麻酔)
認定病院番号:233
特徴:新生児から成人の各分野において豊富な手術麻酔を経験可能。

麻酔科管理症例数 6,961 症例
本プログラム分
小児(6歳未満)の麻酔 0症例
帝王切開術の麻酔 0症例
心臓血管手術の麻酔 (胸部大動脈手術を含む) 0症例
胸部外科手術の麻酔 20症例
脳神経外科手術の麻酔 20症例

□募集定員

1名

■連絡先

本研修プログラムへの問い合わせは、電話、e-mail、郵送のいずれの方法でも可能である。

四国こどもとおとなの医療センター 麻酔科 多田文彦
香川県善通寺市仙遊町2-1-1
TEL 0877-62-1000

E-mail:tada-f@ shikoku-med.jp

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