独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

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診療科のご紹介

小児血液腫瘍内科

■診療紹介
小児血液、腫瘍内科では急性白血病、悪性リンパ腫、神経芽腫を中心とした小児悪性腫瘍患者を治療しています。年により変動はありますが、年間数名から十数名の新患患者さんが入院され、化学療法を主体とする治療を行っています。
難治性の症例には血縁間骨髄移植や自家末梢血幹細胞移植も行っており、化学療法と共に造血幹細胞移植が進歩し、どちらを選択すべきか苦慮することもあります。制吐剤やG-CSF(白血球増加因子)の開発は治療の副作用の軽減に非常に有用であり、患者さんにも朗報でした。しかしながら、感染症がまったく予防できるわけでなく、感染症との戦いは続いています。
小児悪性腫瘍の治療は非常に進歩し、治療が終わって、元気に保育園や学校に通っている子どもたちもたくさんいますし、成人になって結婚されてる方もいます。これからは治すだけではなく、治った後もより良き人生が送れるよう精神的ケアの必要性も実感しています。
なお、平成7年より当院の小児がん患者の院内家族の会として活動してきた「院内のぞみの会」が中心となり、平成16年がんの子供を守る会香川支部「希望の会」が設立されました。患者さんおよびその家族への情報提供や家族の交流、悩みの相談等の活動を行っています。病棟のスタッフもボランティアとして参加し、患者さん、その家族とみんなで一緒に楽しい会となっており、病院ではみられないような子どもたちの素晴らしい笑顔をみることができ、毎年その笑顔に励まされています。今後も皆さんに支えられながら活動を続けていきたいと思っています。
■主要な疾患について
1.急性白血病
…小児では急性白血病の75%が急性リンパ性白血病で、25%が急性骨髄性白血病です。急性リンパ性白血病はJPLSG、CCLSGの多施設共同研究に参加し、全国統一プロトコールにて治療しています。その治療成績は飛躍的に向上し、75%が治癒するようになりました。急性骨髄性白血病もJPLSGの全国統一プロトコールにて治療し、治療成績は約50%です。近年、骨髄移植、臍帯血移植等の造血幹細胞移植が進歩し、難治性白血病の治療成績がさらに向上しています。
2.神経芽腫、横紋筋肉腫等の固形腫瘍
…小児の固形腫瘍とは小児がんのことです。神経芽腫はJNBSGの多施設共同研究に参加し、全国統一プロトコールに基づいて治療しています。その他の腫瘍は学会で標準治療とされているもので治療し、難治性の腫瘍では自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行っています。
3.脳腫瘍
…当院は小児脳神経外科がありますので、化学療法が必要な場合は、連携して治療を行っています。難治性の場合は自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行っています。
4.血液疾患
…再生不良性貧血に対しては免疫抑制療法および骨髄移植を、特発性血小板減少症に対してはガンマグロブリン療法、ステロイド療法を行っています。血友病は補充療法を行い、整形外科とも協力して、関節障害の予防に努めています。
■希望の会
小児がんは、医学の進歩により治癒率が向上してきました。しかし、子供たちの生命を脅かす病気であることに変わりはありません。家族にとって、小児がんの診断は、まさに晴天の霹靂です。誰も自分の子供ががんになるとは思ってもいないからです。病気のことや治療の方法、残された家族のことなど普段は考えても見ない問題が次々に起きてきます。
そこで、「希望の会」では小児がんの子供さんとその家族が直面している様々な問題や悩みを軽減するために、いろいろな活動を行っています。
治療を終了し退院した患者さんの親、小児がんの治療中の患者さんの親や小児がんで子供さんを亡くした親と、小児がんの治療にあたる医師や看護師の参加により交流を図っています。
病気の知識や実際的な経験を学びあい、身近な仲間同士で話し合うことで、心の負担の軽減を図っています。
年間行事としては、5月に講演会、6月に相談会、8月にバーベキュー大会、12月にクリスマス会を開催します。
小児がんに対する正しい知識の普及と、患者さんや家族の心情や問題に対する認識を深めるために、年2回(春と秋)会報「マシュマロ」を発行しています。
希望の会の活動等にご意見、ご要望がありましたら事務局までお知らせ下さい。
●事務局
独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 小児科 岩井艶子
765-8507 香川県善通寺市仙遊町2丁目1-1
TEL:0877-62-1000
FAX:0877-62-6311
E-mail:iwai-t@shikoku-med.jp
■スタッフ紹介
岩井朝幸 いわい あさゆき
感染制御対策部長
● 小児血液、腫瘍
小児科学会専門医/血液学会専門医/感染症学会専門医/身体障害者福祉法指定医
入院している子どもたちが元気に退院できるように治療していきたい。
岩井艶子 いわい つやこ
小児血液・腫瘍内科医長
● 小児血液、腫瘍、臨床遺伝、遺伝カウンセリング
小児科学会専門医/臨床遺伝学会専門医/がん治療暫定教育医/小児血液・がん暫定指導医
子どもたちが一日でも早く退院できるように治療し、退院後はその成長を見守り、時々の悩みに寄り添っていきたい。