独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター

文字サイズ
小
中
大

おひさまつうしん

TOPICS

ザンビアでの心臓手術に参加して

2017/10/29

 徳島大学心臓血管外科同門会の懇親会で、たまたま吉田修先生と久しぶりに話をした。話の途中で「ビクトリアの滝を見に行きませんか?」とのお誘いがあった。「機会があれば、よろしく・・・。」とあいまいな返事をしていた。数か月後に、吉田先生より電話連絡があった。話を進めると、【TICO(Tokushima International Cooperation)としてUTH(the University Teaching Hospital)で開心術を行いたい。松村先生(TICO,さくら診療所)に引き続き、講義と実習を大学で行ってほしい。】とのことであった。病院に10日間の年休を申請し、打ち合わせ・予防注射などの準備を行った。

 平成29年10月29日(日)に、台風22号の合間を縫って吉田先生と一緒にザンビアに出発した。ザンビアの首都ルサカには月曜に到着した。ザンビアの気候は想像していたより、はるかに快適であった。大学で心臓外科志望の外科医師4名と看護師に心臓手術の講義と模擬練習を火曜より金曜日まで行った。金曜日に話の途中で「PDA(動脈管開存症)の手術には、人工心肺装置も必要がないので、今すぐにでもできるでしょう。」と説明した。この話を山本和子さん(Japan Agro Marketing Institute 所長)が聞き付けてUTHの院長に話したところ、急展開し、月曜日にPDA手術を行うこととなった。


 翌日(土)に患者が病院に入院し、現地の医師と診察した。大きな動脈管開存と大動脈弁狭窄の2歳女児であったが、PDAの手術には問題がないと考えられた。この後、ビクトリアの滝へ向けて車を走らせた。途中、夜となり、車は大きな木に正面衝突した。この後、いろいろなことがあったが、何とか翌日にルサカに戻った。UTHでの診察後、宿舎で休んだ。木への正面衝突のせいで吉田先生は鎖骨骨折と腰椎圧迫骨折など、私は頭部打撲・頭部挫創・全身打撲などであった。UTHの整形外科医師に手術は止められたが、何とか、翌日の手術はできそうであった。

 11月6日(月曜日)UTHにてザンビアの医師によりPDAの手術を初めて行った。私は手洗いをして、第2助手で手術を手伝った。手術室の見学はしていたが、実際に行ってみると、驚かされることが少なからずあったが、手術は無事に終了した。この後、3人(吉田・山本・私)で食事をして私は予定の飛行機に乗った。吉田先生はこの後2人の手術を手伝った後、帰国した。後日、このことが、the Times of Zambiaに大きく掲載された。

 ザンビアの医療事情も少し分かったが、交通事故に会って強く思ったのは【道路・水道などのインフラ整備も必要だが、医療も観光客・会社を呼び込むなど投資を増やすためには重要な要素であると思った。年配の方は医療環境がある程度整っていないと不安で観光にも来られない。】 ザンビアで医師と患者の両方を経験して、日本の医療の現状についても考えさせられる旅でした。

四国こどもとおとなの医療センター
小児心臓外科 江川善康

このページの先頭へ戻る